東京都江東区とその周辺を拠点として,人と自然の共存をキーワードに活動するNPO法人

外来生物の防除

 外来生物とは、他の地域から人為的に持ち込まれた生物のことです。国内の生物でも他地域から持ち込まれたものであれば外来生物(国内外来生物)になります。外来生物は、在来の動植物を捕食したり、餌や繁殖場所などの生息環境を奪うことで生態系のバランスを崩す可能性があります。また在来種との交雑により遺伝子を撹乱させる恐れもあります。
 特に生態系への影響が大きい種や、人の生活に大きな影響を及ぼす種を「侵略的外来種」と呼びます。環境省は2004年に「外来生物法」を公布し、このような外来生物を「特定外来生物」に指定して取扱いを規制しています。また、規制はありませんが、生態系への影響を及ぼしうるものは「要注意外来生物」に指定して注意を呼び掛けています。

※「特定外来生物」を野外に放したり、運搬、飼育などを行うことは禁止されています。違反した場合、内容によっては非常に重い罰則が科せられます。

 ビオトープは自然の持っている潜在力を生かしながら地域本来の自然環境をつくっていくところです。しかし、そこにもともといなかった生き物が放されると在来種の生息が妨げられ、生態系のバランスが大きく崩れてしまいます。特に、ウシガエルやアメリカザリガニといった外来種や、コイやカメなどのペットは繁殖力が強く、生態系への影響は計り知れません。これらの生き物が一度放されると、駆除することは大変難しく、もとに戻すには多くの時間と労力が必要となります。

 江東区のビオトープ(エコスペース)でもウシガエルやアメリカザリガニが繁殖し問題となっています。特にアメリカザリガニは他の生き物から水草まで何でも食べ尽くし、アメリカザリガニしかいない場所になってしまいます。また、ビオトープ以外でも、区内の池では捨てられたミシシッピアカミミガメをよく見かけます。

 

ウシガエル(特定外来生物)

R0011220.jpg アメリカ・カナダ原産で、大正時代に食用ガエルとして輸入され、その後繁殖したものが逃げ出して野生化しました。現在は日本各地に分布します。肉食性で、多くの小動物が捕食の影響を受けます。特定外来生物および世界の侵略的外来種ワースト100、日本の侵略的外来種ワースト100に指定されています。
 区内では、荒川河川敷で繁殖しており、他の水生生物への影響が懸念されます。

  

 

ミシシッピアカミミガメ(要注意外来生物)

106-1104.jpg 別名ミドリガメ(幼体)。アメリカ原産で、1950年頃からペットとして世界中に輸出され、日本を含め世界各地で遺棄・定着しました。雑食性で、水草や様々な水生生物を摂食します。また繁殖力が強く、在来のカメ類と競合します。そのため、要注意外来生物、世界の侵略的外来種ワースト100、日本の侵略的外来種ワースト100に指定されています。
 アメリカ合衆国では連邦法により子ガメの国内販売は禁止されています(なぜか輸出は認められている)。オーストラリア、韓国、南アフリカ共和国ではすでに輸入が禁止され、ヨーロッパ諸国でも輸入禁止の動きがあります。しかし、日本ではいまだに年間数十万から百万匹が輸入されているのが現状です。
 区内では、横十間川親水公園や清澄庭園、亀戸天神の池などに生息し、池があればどこでも普通に見られる状況です。しかし、これは江東区に限ったことではありません。縁日やペットショップで安価で売られ消耗品扱いされた結果、大量に遺棄され、いまや日本でもっとも普通に見られるカメとなってしまいました。そもそも30年以上も生きるこのカメを、それを知って最後まで飼うという覚悟がなければ、安価であろうと飼う資格などないはずです。

 

 

アメリカザリガニ(要注意外来生物)

 WS000000.jpg 北米原産で、昭和初期にウシガエルの餌として持ち込まれたものが逃げ出し、日本各地に分布を広げました。雑食性で、水草や様々な水生生物を摂食します。アメリカザリガニが侵入し繁殖した水域では、水草や小動物が食い尽されることもあります。要注意外来生物、日本の侵略的外来種ワースト100に指定されています。
 区内では、ビオトープ(エコスペース)に放された結果、水草や他の生き物を食い尽くすなど各所で問題になっており、もっとも厄介な外来生物です。

 

  

このような外来生物はもちろん、

他から持ち込んだ生き物を野外に放すことは絶対にやめてください。

飼えなくなった生き物を野外に放すことは、もともと棲んでいる、多くの生き物の命を奪うことになります。そして、彼らには何の罪はなくとも駆除しなければならず、結局、身勝手な人間の行動が不幸を招くだけです。

 アメリカザリガニは、繁殖力が強く、水草や他の水生生物を食べ尽くしてしまうことがあります。その結果、従来の生き物豊かな生態系を壊滅させてしまいます。
 水質汚濁にも強く、池の水を抜いて干しても穴の中に潜み、冬季は巣穴で冬眠します。そのため、一度放されると駆逐するのは非常に困難です。

 

 仙台堀川ポケットエコスペースには、アメリカザリガニはおらず、ヤゴをはじめさまざま生き物が生息していました。しかし、アメリカザリガニが放され、池の環境は一変しました。

102-0242_IMG.jpg 水草や水生生物が豊かだった池

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WS000001.jpg アメリカザリガニが放された池

 

 水草はなくなり、ヤゴなどの生き物もまったく見られなくなりました。アメリカザリガニが繁殖し、瞬く間に死の池となってしまったのです。


 すぐに駆除作業を行うことにし、網で640匹を捕獲して駆除しました。さらにポンプで池の水を抜いたところ、2000匹を捕獲し駆除しました。しかし、泥に潜ってしまったザリガニもいたため、全てを捕獲することはできませんでした。今後も定期的に駆除作業を続けていかなければなりません。 

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  アメリカザリガニは、子どもたちに人気があり、学校や家庭で飼育されているところも多いでしょう。子どもたちには、アメリカザリガニは外来生物であること、そして外来生物が引き起こす恐ろしい問題について、しっかりと教育していく必要があります。

 

 これ以上、外来生物を広げないためにどうすればよいか、子どもたちにも伝えて一緒に考えていただきたいと思います。

  1. 学校教育などの教材として、アメリカザリガニなどの外来生物を出来る限り使用しない。 
  2. やむを得ず教材として使用する場合は、アメリカザリガニが外来種であることや、アメリカザリガニが引き起こす問題について、必ず説明する。
  3. 飼育しているアメリカザリガニを絶対に野外に放流しない。飼育中の個体は死ぬまで責任を持って飼う。
  4. 捕まえたアメリカザリガニを他の河川やため池などに移動しない。生息場所を広げるようなことは絶対に避ける。
  5. アメリカザリガニを捕まえたらどうするか?責任を持って飼う、動物の餌にする、専門家に相談するなど、一緒に考える。

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